メンヘル

ミルキィローズVSキングギドラ20

201X年 円盤付近 「私の名前はタイター。」 「マクフライ。」 「朝比奈みくる、日本人です。」聞いてもいないのに彼らは自己紹介を始めた。「水無月かれんです。」 「ミルクミル。」「おお、キュアアクアとミルキィローズ。お目にかかれて光栄です。プリ…

ミルキィローズVSキングギドラ19

201X年 円盤付近後ろからひづめの音がしたので振り返ると、馬(?)に乗ってミルクがやってくるのが見えた。2人がけの鞍を馬(?)に載せて、迎えにきてくれたのだ。円盤は相変わらずアイドリングを続けている。こちらの呼びかけに答えてくれたが、それ…

ミルキィローズVSキングギドラ18

201X年 円盤付近わたしは円盤の近くで馬(?)を降りてPGF隊員に引き渡した。ここからはわたし1人だ。拡声器のスイッチを入れる。ファウーン。サイレンが鳴った。かなり恥ずかしい。顔が熱くなるのがわかる。気を取り直して、音量を確認しトリガーを引…

ミルキィローズVSキングギドラ17

201X年 超時空跳躍母艦MOTHER 指令室「カメラ、ズームします。」 「あれは、キュアアクアだな。こちらに向かってくる。」 「なん…だと?記録ではこの期間パルミエにプリキュア5はいないはずだ。だからこそ、ハイパーキャッチ光線でシロップを捕ら…

ミルキィローズVSキングギドラ16

これが円盤に攻撃を仕掛けるのであれば、戦力の分散を避けてわたし、ローズ、PGFと手持ちの全力をぶつけるべきなのだが、今はその時ではないということだ。交渉役という危険な役目には、ある程度自分の身を自分で守る能力のある者がよい。わたしかローズ…

ミルキィローズVSキングギドラ15

「ミルクだけで心配なら、わたしも行くわ。」ちなみにわたしはパルミエ王国の内政事項であるPGFの行動について干渉することはできない。協力の要請に対しての諾否を表明することと、行動に対してわたしから協力を申し込むことができるのみだ。「ナツ…。ナ…

ミルキィローズVSキングギドラ14

「そうココね。しばらく円盤の動きを見て、部隊の増減をすればいいと思うココ。」 「ちょっと待ってほしいミル。本当にこのまま待つだけでいいミル?」ミルクが発言する。パルミエ王国最強の戦力であるミルキィローズには、PGFの運用、作戦、指揮について…

ミルキィローズVSキングギドラ13

やがて、ココの本隊が到着し、先発隊の報告を元にして、円盤を取り囲むように布陣した。天幕の入り口の両側に二本の国王旗が掲げられ、ココとナッツの在陣を示す。「それではナッツ、状況を説明してほしいココ。」先発隊の指揮官であった(本隊に合流したの…

ミルキィローズVSキングギドラ12

「あの円盤に、誰か乗っているのかしら?」今見たかぎりでは、窓やドア、乗り込むためのハシゴなど人が乗っていることを示す物は見つけられなかった。あれは中に誰もいない、無人で遠隔操作される円盤なのだろうか。ミルクが呼びにきた。天幕と馬(?)をつ…

ミルキィローズVSキングギドラ11

201X年 パルミエ王国 領内先発隊は円盤の全体が見渡せるよう、少し離れたところに馬(?)を停めた。円盤がすぐに動き出す気配はない。「すごく…大きいわね。」円盤の直径は100m以上あるように見える。わたしは望遠鏡で円盤の細部を観察する。表面は…

ミルキィローズVSキングギドラ10

201X年 パルミエ王国 王宮シロップは予定の時間を過ぎても来なかった。シロップといえども、空を飛んでくるのだ、天気によって少し遅れたりすることがあっても仕方がない。だが、昼が過ぎても、夕方になってもシロップは来なかった。何かあったのだろう…

ミルキィローズVSキングギドラ9

その異様な星は空に静止した。そして星はさっきよりも明らかに大きくなっている。どんどん近づいてきているのだ。やがて星の輪郭がはっきりしてくる。お皿を逆さまにふせた形の円盤に、台座のついた物体だった。そんな物体は絶対に星ではない。お皿と台座の…

ミルキィローズVSキングギドラ8

西暦201X年 パルミエ王国その星の異様な挙動に気がついたのは、王宮で暦を作るために毎日星を眺める役目の者だった。その星は突然空に現れた。そして瞬きもせず、白い光を放ちながら西から東へ滑るように移動し始めた。星は東から登って西に沈む。パルミ…

ミルキィローズVSキングギドラ7

「疲れたミル…。そうミルよね。いつも甘えてばっかりで、ごめんミル。」 「ミルク、それは言わない約束よ。これくらい平気よ。それに…。」 「それに、なにミル?」 「いまわたしはミルクに甘えているわ、たっぷりと。これでお互いさまね。」ミルクの手が止ま…

ミルキィローズVSキングギドラ6

バルコニーでミルクに髪をとかしてもらう。ほほに当たる夜風が気持ちいい。グレープジュースとグラスは清水で冷やしてあり、飲めばからだのほてりを冷ましてくれる。星の光と町の光が、天と地に2つの星空を作り出す。パルミエの星座は知らないが、星空の美…

ミルキィローズVSキングギドラ5

ちゃぷ、ちゃぷん。体を動かしたあとのお風呂は気持ちがいい。左手を右肩から指先に滑らせる。防衛隊の基本的な戦い方は、ナイトメアやエターナルの幹部クラスの敵を圧倒的多数で包囲して、力まかせに押しつぶすというものだ。騎馬(?)隊は敵の退路を断つた…

ミルキィローズVSキングギドラ4

わたしも最初は断った。ココとナッツの考えは理解できるのだが、共感はできなかった。人と人は必ず分かりあえる。戦いは何も産み出さない。全てを奪っていくだけだ。「ココも分かりあえるって信じたいココ。でも、それはかれんたちの世界が長い歴史の中でい…

題名未定3

西暦201X年 パルミエ王国 王宮防衛隊はキュアアクアの撃退に成功した。わたしは負けた。結局のところ、最初から負ける想定になっていたし、それをわたしは知っていた。発足したばかりの防衛隊に自信をつけさせるために、そこそこの力で戦ってあげてそこ…

題名未定2

西暦201X年 パルミエ城外パルミエ王国は、ヨーロッパや中国の中世都市のように城壁に囲まれている。さらにその周りは国名の由来ともなったパルミエの林に囲まれている。ナイトメアが攻めてきた時にどちらもかなりの被害を受けたが、今ではだいぶ以前の姿…

題名未定

西暦221X年 パルミエ北方800Km 北の冷たい海、その海底付近を1隻の潜水艇が進んでいく。潜水艇の名前は「ケルマディック」。ケルマディックはあるものを探すためにこの海に潜った。そして、それはたやすく見つかった。なぜならば、それそのものが…

ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

沈黙が2人を包み込む。最初にその沈黙を突き破ったのはキリヤであった。本を閉じ、ゆっくりと口を開く。「ごきげんよう、美墨、亮太君。」 「こんにちは、入澤先輩。」 …僕のことをちゃんと覚えていたみたいだ。入澤キリヤ、多分僕の恋敵。くやしいけど結構…

ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

なんで今日に限って入澤キリヤがタコカフェにくるんだよう!しかもなんでお持ち帰りじゃなくてここで食べていくんだよう!あ、こっちに気がついた。でも別の席に座った。当たり前か。別に僕と一緒の席で話なんてする必要ないもんなぁ。それにしても、ひかり…

ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

昆布出汁と小麦粉の混合液をひかりはバケツから柄杓を使って粉注ぎに移した。鉄板が十分に熱せられていることを確認して手早く油を塗る。そして粉を多めに流し込み、大きくぶつ切りにした蛸を手際よく粉に入れていく。続いて揚げ玉を入れる。かつん、かつん…

ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

呻き声が寝所に小さく響いている。寝台が小刻みに揺れる。二匹の獣が寝台の上にいた。声にならない呻き声を上げていたのは、長い耳を口の中に押し込まれ、ポルンに組み敷かれたルルンだった。 ポポ…。どうしてポポ。許せないポポ。 ポルンはこの光の園の王子…

ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

全てを食い尽くし、飲み込むことを諦めたドツクゾーンの知識層(プリキュアとの戦いのさなかで虹の園を垣間見た者たちが主である)は、ドツクゾーンを全てを生み出すことのできる世界とするためにインフラストラクチャーの整備を進めていた。 各種の開発の中…

ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

「行ってきます!」 僕が通っているのはお姉ちゃんやほのかさんが通っていたベローネじゃなくて、市立の若葉台中学校だ。ベローネはああ見えてかなりレベルの高い学校で(お姉ちゃんはベローネのビリだけど、若中だったら真ん中ぐらいだ)、僕は受かることが…

ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

「ひかりさん、今の見ましたか…?」 姉とその友人が光線を放ち、怪獣と怪人を退治したのを見て驚かない弟はいない。変身が終わってからの一部始終を見た亮太は、立ち上がってなぎさとほのかのもとへと駆け寄った。「お姉ちゃん!今の、いや、っていうか何そ…

ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

「ええい、闇の力だと?そんなものは恐れるに足らぬ!地獄ポルン、やつらを闇に帰してしまえ!」 「分かったポォポォ。やっつけるポォポ!」 「そうだ、奴らを倒せば貴様には所領が下賜されるぞ!」「最低ね・・・。」 「ブルー、どういうこと?」 「私たち…

ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

注:今回はいつもに増して長いです。 バルデス・ジャアクキングが倒れた後、光の園、虹の園、そしてドツクゾーンは危ういバランスを保ちながら、互いを呑み込むことなく3つとも存在していた。ドツクゾーンにおいても、かつてプリキュアに倒された者たちが徐…

ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

「ほのかさん!お姉ちゃん!いい加減にしないと!早く逃げよう!」 「亮太!」 「亮太君!」 僕は呆然と立ち尽くしているほのかさんとお姉ちゃんの方向へ走り出した。距離はそんなに遠くない。2人の手を引っ張ってでも、この危険な場所から逃げ出すんだ!「…