ミルキィローズVSキングギドラ18

201X年 円盤付近

わたしは円盤の近くで馬(?)を降りてPGF隊員に引き渡した。ここからはわたし1人だ。拡声器のスイッチを入れる。ファウーン。サイレンが鳴った。かなり恥ずかしい。顔が熱くなるのがわかる。気を取り直して、音量を確認しトリガーを引く。

呼び掛けはパルミエ標準語、日本語、英語、フランス語、そして最後にもう一度パルミエ標準語で行った。

パルミエ王国国王名で、円盤がパルミエ王国の領土領空を侵害していること。

当方は円盤に即時の退去を求めること。即時の退去がなされるのであれば、当方に攻撃の意志はないこと。

円盤の所属、名前、指揮官の名前を明らかにしてほしいこと。

事故等やむを得ない事情がある場合は救援の用意があるので申し出てほしいこと。

果たして、こちらの呼び掛けに応えてくれるだろうか。

しばらく円盤を見ていると、ライトが1つちかちかとまたたき始めた。長い発光と短い発光の繰り返し。モールス信号だ。同じ点滅を3回繰り返しているが、日本語にしてもアルファベットにしても意味が通じない。いや、もう1つわたしには思い当たるものがあった。つい先日制定されたパルミヤンモールス信号だ。あの信号の意味は…。

「(了解した)ナツ。円盤はこちらの呼び掛けを理解したようナツ。」
「それはよかったココ。でも、パルミヤンモールス信号はまだ制定したばかり、要員の育成もこれから始める「予定」ココ。どうしてあの円盤がそれを知ってるココ?」
「あとで直接聞いてみるナツか?とりあえず、かれんを呼び戻すナツ。」
「それはミルクが行きますミル。」
「たのむココ。」