ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

 もうすぐ公園だ。やっぱり緊張してきたなあ…。ちゃんとほのかさんはいるのかなあ…。だいぶ遅くなっちゃったから、帰っちゃったかも…。ううん、きっとお姉ちゃんがうまくやってくれてるはずさ。お姉ちゃんを信じよう。

「ぐわぁああああっ!」

 若葉台公園を目前にしたところで、亮太の耳に男の叫び声が飛び込んできた。尋常ではない。声のした方向を振り返ると、そこには男が1人倒れていた。ところどころ切り傷や青あざなどがあり痛々しい。一刻も早く公園にいるはずの雪城ほのかのもとへ行きたかった亮太であるが、そんな状況を見て放っておけるはずがない。亮太は男の近くに駆け寄った。

「大丈夫ですか?」
「うう、よく聞け、少年。オレ様はネメシスピーサード虹の園が、狙われている!」

 …どうしたんだろうこの人は。頭がとっても混乱しているみたいだ。格好も変だし。とりあえず、救急車を呼ばなきゃ。公園に公衆電話があるはず…。

「ふふふ。語るに落ちたな、ネメシスピーサード。」

 うわ、なんかまた別のが出てきた!空に浮いてる!軍人みたいな格好をして…あれは乗馬で使うムチかな?変だ、絶対変だ変な人だ!警察も呼ばなくちゃ!

「ははは。どうれ、止めを刺してやろう。このメロ大佐がな…!」
「待て。お前の思い通りにはさせん。」
「ほう、貴様はイルクーボ。仲間の危機に駆けつけたというわけか。面倒見のいいやつだ。」
「おい、そこの少年よ。」

 …もう何が出てきても驚かないぞ。って、なんだかあの顔色の悪い人が呼んでるような気がするよ。うええ、かかわりあいたくないよう。

「少年、聞こえないのか。」
「…聞こえています。」
「ならば返事をしろ。少年、美墨なぎさ雪城ほのか、そして九条ひかりという女を知らないか。」
「…???知ってますけど。でもなんであなたがお姉ちゃんたちのことを???」
「知っているのか!それならば話は早い。そのうちの誰か一人でいい。ここに連れてこい。」
「連れてこい、ってそんな…。」
「つべこべいうな、早くしろ!」
「ひぃっ!」

 怒られた…。なんなんだ一体あのハゲは!でもなんでこいつがお姉ちゃんやほのかさん、ひかりさんの名前を知っているんだ?待てよ、知っているってことは、まずいじゃないか!ほのかさんたちが危ない!早くいかなきゃ!

「う、うわぁぁぁぁぁ!」
「どうした少年、どこへ行く!…ちっ。やはり虹の園の人間は当てにならん。」
「茶番は終わったか、イルクーボ。ふふふ。貴様らの相手はこいつがする。ミックス!スピン!出でよ合成獣!」