人造ネコ第15回 襲撃!大幹部ケルノノス!

 新シ写始発の普通電車が、日本帝国標準軌間1,435mmのレール上を走って国鉄新發田駅に到着した。所要時間は約30分である。

「わたくしがボタンを最初に押すのですわぁ。」

1人の少女が、前にいる2、3人を押し分けてドアの開閉スイッチを押す。なんでも1番じゃないと気がすまない性格であるらしい。

「うふふふぅ。このわたし、大幹部ケルノノスこと箕面未来がわざわざ出向いてきてやったのだから、県民陸軍のゴーレムなんて軽くいなしてしまうわよぉ。見ていなさい、アザラク。」
「おい、姉ちゃん早くどいてくれよ。電車降りらんねねっか。」
「あら、ごめんあそばせぇ。」

大幹部ケルノノスこと箕面未来は、セレブを気取る割には移動に電車を使う庶民派であった。やがて、彼女は市内の観光案内を見始めた。先週のNSG月例会報でタンカを切ってみたのはいいが、県民陸軍をおびき出すためにどこを襲撃したらいいのか皆目見当がつかない。なにせ駅から大蔵組ビルまでの往復ぐらいしか新發田を歩いたことがないのだ。

「むむむ、どこか目立つところを襲撃すべきですわねぇ…。どこがいいかしらぁ…。」

無計画にもほどがある。