ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

「ええい、闇の力だと?そんなものは恐れるに足らぬ!地獄ポルン、やつらを闇に帰してしまえ!」
「分かったポォポォ。やっつけるポォポ!」
「そうだ、奴らを倒せば貴様には所領が下賜されるぞ!」

「最低ね・・・。」
「ブルー、どういうこと?」
「私たちを倒したら、偉い人から土地が貰えるらしいわよ。」
「な、なによそれ、ありえない・・・。」
「ポッポォ!ポォルンは王族ポポ!王族が支配する所領を持つのは当たり前のことポォポ!」
「「だまらっしゃい!」」

 キュアイエローとキュアブルーのキックが、重い音を立てて地獄ポルンに突き刺さる。何本かあばら骨が折れてしまったらしく、地獄ポルンは胸を抱えてその場に倒れた。

「奴は見掛け倒しの虚弱な王族ツル。ブルー、一気に畳み掛けるツルー!」
「いわれなくったってやってやるわ!なにか、そう、マーブルスクリューみたいな必殺技はないの?」
「もちろんあるツル。さあ、手を繋ぐツル!」
「こうね!」

 ふたりは手を繋ぐ。直後、それまでふたりを10ばい以上にパワーアップさせていた闇の力を各部に供給していたエネルギー弁が閉鎖された。コスチュームに仕込まれていた回路が開放され、全ての闇の力はふたりの腕へと充填されていく。

「セーフティロック、解除。」

キュアブルーのオペレーティングによって、安全装置が解除された。ユリの髪飾りがバイザーへと姿を変えて、降りてくる。イエローのバイザーの内部に、丸に十字を切った環が映った。照準機だ。

「ターゲットスコープ、オープン。電影クロスゲージ明度20。地獄ポルンは有効射程距離内。」
ダークエネルギー、充填120%!」
「「プリキュア・対ショック、対閃光防御!」」

コスチュームのリボンが硬化し、地面に突き刺さり強力なアンカーとなった。バイザーの色がより濃くなり、ふたりの眼を保護する。

「「最終セーフティ、解除!」」

ふたりは拳を硬く握り、肘を後ろに大きく引き絞って「ため」の姿勢を形作った。

「「プリキュア・ダークスプラッシュ!!」」

掛け声とともに、拳を勢いよく前方に突き出す。黄色と青の強力な闇の波動が一直線に地獄ポルンに向かっていく。地獄ポルンはメロ大佐を捕まえると闇の奔流の前へと、自らの盾として突き出した。

「ポォポ!ポルンは、こんなところで終わる男じゃないポォポォ!」
「な、なんだと、貴様、やめろ、離せ!ば、ばかな!光の力が、闇の力に敗れるなど、あ、ありえん、うぎゃぁぁ!」
「に、逃げるポォポ!」

メロ大佐はもろにダークスプラッシュを受けて闇の中へと消えていった。その後ろにいたはずの地獄ポルンはすでにその姿をくらましていた。キュアイエロー、美墨なぎさはそれを見て複雑な表情を浮かべた。

「自分の仲間を盾にするなんて、なんて卑怯な奴なの・・・。あいつは本当に、あのポルンなのかしら・・・。」
「なぎさ・・・。」

キュアブルー、雪城ほのかはそんな親友の顔をじっと見つめていたのであった。