人造ネコ 第16回 人造動物!対!箕面未来!
ネコの両作業腕に光がきらめくと同時に、肩に未来を乗せていた蒸気人間に光弾が命中する。
「な、な、なんですのぉ!いきなりごあいさつですわねぇ、県民陸軍!」
蒸気人間はバランスを崩して膝をつき、未来も肩から落ちそうになったがしがみついて持ちこたえる。
「なんだ…堅いな、あのガラクタ。」
今までの蒸気人間であれば光弾の一撃で破壊できた。しかし、目の前の蒸気人間は二発の光弾を受けているにも関わらず、壊れた様子を見せない。
「どうした、ネコ。早く人質を解放しろ。」
バッタンの相対している蒸気人間たちは、いつものように高速振動刃で切断されてしまっている。あの「人質」をとっている蒸気人間だけが堅いのか。
「わかってる、だが、見ろ、けっ。あいつは本当に人質なのか?」
ネコは作業腕を別の蒸気人間に向けて光弾を放った。当たる。同時に蒸気人間は爆発する。やはり「人質」をとっている蒸気人間だけが堅いのだ。違和感は続く。「人質」は蒸気人間の肩によじ登ると、その上にベンチに座るがごとく自然に腰かけた。
「あのガラクタを乗り物にしている人間なんて聞いたことがねぇ。なんだ、あいつは。」
「確かに、怪しいな。どうする。マスター達からの命令は変わっていない。人質の確保だ。」
「けっ。バッタン。ここは止めておいてやる。アホ女どものところへ行って、新しい命令をもらってこい。」
「それがよさそうだ。ネコ、頼む。」