題名未定2

西暦201X年 パルミエ城外

パルミエ王国は、ヨーロッパや中国の中世都市のように城壁に囲まれている。さらにその周りは国名の由来ともなったパルミエの林に囲まれている。ナイトメアが攻めてきた時にどちらもかなりの被害を受けたが、今ではだいぶ以前の姿を取り戻したようだ。

林を越えた先にはパルミエ平原が広がっている。安らぎの緑の大地では、ささやかながら農地の復興と開拓が始まっていた。

今、わたしがいるのはそこから少し離れた荒れ地だ。視界を遮るものは何もない。何もないから、彼らが動いているのをすぐに見つけることができた。密集隊形のファランクス、わたしたちの世界から得た新技術、鞍と鐙を装備した騎馬(?)隊。

パルミエガーディアンフォース(PGF)、通称防衛隊の遊撃部隊だ。陣形は鶴翼、城壁を守るように布陣している。今日のわたしは彼らを突破して、パルミエに襲いかかるコンキスタドーレスの役だ。

「さあ、どこまで持ちこたえられるかしら。楽しみね。」

あら。こんなはしたないセリフを言ってしまうなんて。状況が人を作ってしまうっていうのは本当なのね。だったら、今日はとびっきりの悪役を演じてみようかしら…。とびっきりなんて、うららみたいね。

城内から花火が上がった。状況開始の合図だ。わたしは水の矢を何本もつがえた。十二束三伏、弓はつよし。よつぴいてひやうど放つ。なぜか平家物語の、扇の的を思い出した。

プリキュアサファイアアロー!!」