人造ネコ第15回 襲撃!大幹部ケルノノス!

「はぁはぁ…もう歩けませんわぁ…。こうなったら、ここでいいですわ…。ちょうど交差点で、なんだか銅像も建っているし目立ちそうですわ、そうですわぁ、ここにしましょう。」

そこは新發田上町、通称第4銀行前交差点であった。未来は胸の前で印を組み、何か呪文のようなものを唱え始める。

「ひふみよいむなやこともちろらねしきるゆゐつわぬそおたわくめか、うをえにさりへてのますあせゑほれけ、エクメト・テロエス、エクメト・テロエス。天の気地の気、我に応えて我を助け我が僕をここへ運びたまえ。我は求めり、訴えたり!」

呪文を未来が唱え終わるやいなや、交差点の道路が裂け、蒸気人間が現れた。この長ったらしい呪文は蒸気人間を召喚する呪文、さらに正確に言えば大蔵組関連企業の地下で生産されたゴーレム、すなわち蒸気人間を任意の場所に転送する呪文なのだ。

 いままで蒸気人間はどちらかというと市街のはずれに出没していたのであるが、今日は違う。目の前には銀行、逓信省通信局、少し歩けば裁判所、警察署、そして市庁舎もある。まさに新發田の中心に蒸気人間が出現したのだ。周囲はパニックに陥った。箕面未来は図らずして狙ったとおりの効果を挙げたのである。

「はぁはぁ…まだ息が上がっていますわ、少し鍛えなくてはいけませんわねぇ。けほけほ。ごくん。ふふふ。逃げ惑うがいいわぁ、貧民ども。そして、県民陸軍、早くでてきなさぁい。うふふふ。」