ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

「ほのかさん!お姉ちゃん!いい加減にしないと!早く逃げよう!」
「亮太!」
「亮太君!」

 僕は呆然と立ち尽くしているほのかさんとお姉ちゃんの方向へ走り出した。距離はそんなに遠くない。2人の手を引っ張ってでも、この危険な場所から逃げ出すんだ!

「さあ、行きましょうほのかさん!」
「あっ、亮太君・・・。」

ほのかさんの手を掴んで僕は走り出す。ほのかさんの、手を、掴んで?ほのかさんの手を握っちゃってるよ、うわ、うわぁ。

「ポッポォー!」
「うわああ!」

 亮太とほのかの前に、地獄ポルンがその巨体を震わせて立ちはだかった。白く太い腕が振り下ろされ、人影が宙を舞う。地面に叩きつけられて着地した人影は、苦しそうに上半身を起こした。

「り、亮太君!」
「うう、大丈夫ですか?ほのかさん。」
「私は大丈夫よ、それより!」
「それなら、よかった、本当に。」
「亮太君!亮太君!」
「亮太!ちょっと、あんた本当にポルンなの!?うちの弟になんかあったら、ただじゃ済まさないわよ!」
「ポッポォ?ポォルンは悪ぅくなあいポッポォ。そいつが勝手に飛び出てきただけポォォポ。」
「し、喋った。しかも低い声。って、驚いている場合じゃなかった、あんた、もうゆ」
「・・・許さない。」
「ほのか?」
「本物のポルンとか、本物じゃないとか、そんなことは、どうでもいいわ!!私の大事な・・・亮太君は私の大事な・・・友達を傷つけたあなたを、私は絶対許さない!!イルクーボ!」
「ようやくやる気になったかツル、キュアホワイト。」
「ほのかよ。覚えて。なぎさ、準備はオーケー?」
「もちろん!わたしだって大事な弟にひどいことされて、頭にきてるんだから!」
「そうカブ!今こそ闇の力を借りて、プリキュアに変身するカブ!」

 2人はジャアクキングのダークカードをピーサードコミューンとイルクーボコミューンにスラッシュした。かたく手を繋ぎ、天に向かって叫ぶ。

「「デュアルダークネスパワー!!」」

 地面から青い炎が立ち上り、柱となって2人を包む。闇の力を借りて、新たなるプリキュアへの変身が始まったのである。