ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

「行ってきます!」

 僕が通っているのはお姉ちゃんやほのかさんが通っていたベローネじゃなくて、市立の若葉台中学校だ。ベローネはああ見えてかなりレベルの高い学校で(お姉ちゃんはベローネのビリだけど、若中だったら真ん中ぐらいだ)、僕は受かることができなかった。
 それはともかく。昨日はいろんなことがあった。光の園からやってきた怪獣、地獄ポルンとお姉ちゃん、ほのかさんたち「プリキュア」の戦い。そして僕の告白。まだ「友だち」ではあるけれど、「友だちの弟さん」からは前進したはずだ。ほのかさんの恋人に一歩近づいた、と思う。
 そんなわけで、今日の僕の足取りは軽い。通学路を歩く早さもいつもより早い気がする。通学路は商店街の中を通る。まだ朝だからお店はあんまり開いていない。もう少しで商店街を抜けるかな、というところで見たことのないお店があるのに気がついたんだ。
 和服の上に割烹着を着たお姉さんがお店の前をほうきで掃いていた。長い髪の毛を上でまとめている。きりりとした吊り目のきれいなお姉さんだ。

「おはよう。君、どうしたの?」
「お、おはようございます!いや、なんでもないんです…。」
「ははぁ〜、さてはあんまりアタシがキレイだから、見とれてたなぁ〜?まあ、このアタシの美貌にかかれば、無理もないことだけどねぇ。」
「は、はぁ。」
「ふふふ、アタシのお店、今日からオープンなのよ。夕方からなんだけどね。でも、なんだか嬉しくて気合入っちゃって、それでもう朝から掃除なんか始めちゃったのよね。アタシはとく子。君は?」
「亮太です。美墨亮太。」
「亮太君か〜。じゃあお姉さんも名刺なんかあげちゃったりなんかして。お父さんお母さんによろしくね。お店のこと、必ず言うのよ!いいわね。」

 テンションの高い、面白いお姉さんだ。名刺にはお店の名前、お姉さんの名前が入っている。小料理屋「ぽいずに」、入澤とく子。ん?入澤?

「姉さん、朝から家の前で大声を出さないでくれよ。恥ずかしい。学校に行ってくるから。」
「なにようキリヤ。あんたも学校でうちの宣伝ちゃんとしなさいよ。」

入澤キリヤだ!

プ・リ・キュ・ア♪又パ又パ又パータ※又プラッシュ又ター※
ふたりは ふたりはプリキュア(以下略)