ふたりはプリキュア 又プラッシュ※又ター

 呻き声が寝所に小さく響いている。寝台が小刻みに揺れる。二匹の獣が寝台の上にいた。声にならない呻き声を上げていたのは、長い耳を口の中に押し込まれ、ポルンに組み敷かれたルルンだった。

 ポポ…。どうしてポポ。許せないポポ。
ポルンはこの光の園の王子ポポ。世界を救うために虹の園で戦ったこともあるポポ。何度ドツクゾーンの奴らに殺されそうになったか分からないポポ。それでも一歩も退くことなく勇敢に戦い抜いたポポ。どうしてポポ。
 ポルンは未来へ導く光の王子ポポ。なぎさだって、ほのかだって、ひかりだって、ポルンが一緒に戦っていなければきっとドツクゾーンにやられていたポポ。この偉大な働きを見れば、クイーンの次に光の園のキングになるのがポルンだというのは明白なはずポポ。
 それなのに、どうしてポポ?どうして光の園はポルンのものにならないポポ?どうしてポルンが石の番人なんぞに馬鹿にされなきゃいけないポポ?どうして勇敢で偉大な王子が狭い女王領で、王族の権威のみに縋って暮らしていなければならないポポ?
 ポルンは光の園のキングになるはずポポ。どうしてひかりはポルンと一緒に光の園に戻ってきてくれなかったポポ。ポルンの、キングの妃にふさわしいのはひかりポポ。だからひかりはポルンのお嫁さんにならなきゃいけないポポ。それなのに、どうしてポポ。どうしてポポ。どうしてポポ。
 ポルンはより強く腕に力を込めてルルンの身体を押さえつけた。ルルンの顔に、頬を赤く染め、瞳を潤ませ恍惚と喘ぐひかりのイメージが重なる。次の瞬間、ポルンの体が強張り、間を置いて脱力した。