ミルキィローズVSキングギドラ4

わたしも最初は断った。ココとナッツの考えは理解できるのだが、共感はできなかった。人と人は必ず分かりあえる。戦いは何も産み出さない。全てを奪っていくだけだ。

「ココも分かりあえるって信じたいココ。でも、それはかれんたちの世界が長い歴史の中でいくつもの戦いを経て、理不尽な暴力を押さえることのできるルールを作ることができたから、言えることココ。」

「このパルミエ王国のある世界は、まだそのレベルに達していないと言わざるをえないナツ。ナイトメアやエターナルみたいな、分かりあうことのできない理不尽な暴力が未だに存在する世界ナツ。理不尽な暴力から大事なものを守るためには、どんなにつらくても、悲しくても戦わなければならないこともあるナツ。守るために、戦う力がいるナツ。」

亡国を経験した王たちの言葉は重かった。結局、ココとナッツの情熱にほだされたのと、守るために戦わなければならないという考えには共感できること、パルミエ王国の国民たちが、自分の手で自分の国を守りたいと考え、防衛隊に賛意を示していること、そういういくつかの理由に納得して、訓練の相手役をわたしは引き受けることにした。

それで、わたしはのぞみたちとパルミエ王国に来る以外にも、ときどき「敵」になりにパルミエ王国にやってきているのだ。