ミルキィローズVSキングギドラ5

ちゃぷちゃぷん。

体を動かしたあとのお風呂は気持ちがいい。左手を右肩から指先に滑らせる。防衛隊の基本的な戦い方は、ナイトメアやエターナルの幹部クラスの敵を圧倒的多数で包囲して、力まかせに押しつぶすというものだ。騎馬(?)隊は敵の退路を断つために先回りをし、前進してきた歩兵とともに取り囲んで揉みつぶす。

なので、訓練の最後はいつもフルーレを振るっての白兵戦になる。相手は模擬の槍や剣を使い、わたしもプリキュアに変身しているとはいえ、もみくちゃにされればやはり多少の打ち身やアザができてしまう。あまりあとが残らなければいいな、と思いながら、お湯の中でお腹をなでる。

ちゃぷちゃぷん。

「かれん、タオルここに置いておくミル。」
「ありがとう、ミルク。」
「どういたしましてミル。グレープジュースが冷えてるミル。お風呂が終わったら一緒に飲むミル。」
「わかったわ。もうすぐ上がるわ。」
「待ってるミルー。」

いちばん最初はお風呂の後にタオルや着替えやジュースを持ったお世話係が、「かれん様、ご苦労様でした○○!」とずらっと列を組んで待機していたのだが、ミルクに頼んでやめてもらった。

ミルクに言わせればわたしたちプリキュアがパルミエ王国に来たときのお世話係を希望する者は後を絶たないそうだ。でも、わたしはお世話してもらうほどに偉くないし、体も自分で拭けるし、なにより恥ずかしいのでお世話係についてもらうのは断った。ミルクは少し残念そうにしていたが「かれんがそういうなら仕方ないミル。」と、お世話係を説得してくれた。

「わたしにはミルクがいてくれれば、それで充分よ」と言うと「エヘヘ、それもそうミル」とミルクは照れながら嬉しそうにしていた。