ミルキィローズVSキングギドラ11

201X年 パルミエ王国 領内

先発隊は円盤の全体が見渡せるよう、少し離れたところに馬(?)を停めた。円盤がすぐに動き出す気配はない。

「すごく…大きいわね。」

円盤の直径は100m以上あるように見える。わたしは望遠鏡で円盤の細部を観察する。表面はのっぺりとしており、プラスチックのような光沢を持っている。円盤の下には台座がある。台座と円盤がつながる部分はトラス構造になっていて、中ではいくつかの巨大なライトが水平に回転していた。

やはり、この円盤は生物ではない。明らかに人工物である。では誰が、何の目的でパルミエにこの円盤を持ち込んだのだろうか。それを外観からうかがうことはできなかった。

わたしは望遠鏡を目から外して、腰に提げているパルミエの実でできた水筒を手にとり麦茶をひと口飲んだ。反対の腰に提げたかばんにはパルミエの葉で包んだ塩おむすび(麦茶とおむすびは王宮のお世話係たちが作ってくれた物だ。)が入っていたが、それにはまだ手をつけないでおくことにした。