ミルキィローズVSキングギドラ16

これが円盤に攻撃を仕掛けるのであれば、戦力の分散を避けてわたし、ローズ、PGFと手持ちの全力をぶつけるべきなのだが、今はその時ではないということだ。

交渉役という危険な役目には、ある程度自分の身を自分で守る能力のある者がよい。わたしかローズだ。その内「失ってもより損失の少ない方」は、わたしである。そういう計算を行い決断するのが指揮官である。彼らは時に感情を押し殺してその決断を行わなければならない。

わたしは、ココとナッツの決断を支持することにした。捨てゴマのようにされるのは気分のいいものではないが、彼らも相当に悩んで決断している。わたしにできることであれば、協力して少しでも指揮官の苦悩を解消してあげたい。

「わかったわ。わたしがキュアアクアに変態(メタモルフォーゼ)して円盤に呼びかけてみるわ。」
「ありがとうナツ。呼びかけの案文はナッツとココが作るナツ。」

ミルクが申し訳なさそうにわたしを見ていた。

「かれん、ごめんミル。ミルクの思いつきのせいで…。」
「いいのよ。わたしがやりたいからやるんだもの。それに、未知の存在とのファーストコンタクトをわたしがやるなんて、わくわくするじゃない。」
「ミル…。」
「大丈夫。わたしを信じて。わたしはプリキュアなのよ。」